山口大学✕株式会社クオリアシステムズ、共同研究契約を締結 「遠隔並びに隔離環境下における高度医療提供プラットフォーム」の共同開発

〜過疎地域の高齢者とオンラインでつながるプラットフォームを通して、 誰もが適切な医療や行政サービスを享受できる体制を支援します〜

WEB アプリケーションやスマートフォンアプリケーション等を開発する株式会社クオ リアシステムズ(東京都杉並区、代表取締役社長:池田直人、以下クオリアシステムズ) と国立大学法人 山口大学(山口県山口市、学長:谷澤 幸生、以下山口大学)は、遠隔並びに 隔離環境における高度医療提供プラットフォームの研究開発の共同研究契約を令和4 年 11 月 25 日に締結し、やまぐち産業イノベーション促進補助金[チャレンジ]を活用 し基本システムの開発に成功しました。
今後、山口県、山口大学、山口大学医学部附属病院 脳神経外科及びクオリアシステ ムズは有機的に連携し、医療過疎地の高齢患者が簡単に医療相談を受けられる遠隔通 信システムの構築に向けた開発と実証実験を行います。

山口大学_クオリアシステムズ

■本共同研究の背景

山口県では、小規模都市が多数分散しているという地理的特徴があるため、施設間 連携が非常に重要です。そのため、山口大学医学部附属病院 脳神経外科では 2002 年より全国に先駆けて遠隔医療を取り入れて脳神経外科がない施設においても、画像診断と患者情報に基づく初期対応とトリアージを可能としていますが、これらはあくまでも1分1秒を争う脳卒中などの超急性期疾患のみであり、医師間のみで利用するシステムとなっています。

そのため、専門医がいない小規模都市の患者は、専門医が在籍する病院まで移動して治療のための診察を受診していますが、移動には、時間的・金銭的・心理的負担を患者および患者家族に強いております。それらの負担を惜しんで医療を受けない患者も存在しています。

■本共同研究の概要

これらの問題を解消するため、山口大学とクオリアシステムズは、高齢者が簡単に医療 相談を受けられる遠隔通信システムの基本部分の開発に成功しました。

今後、山口県、山口大学、山口大学医学部附属病院 脳神経外科及びクオリアシステムズは有機的に連携し、高齢患者が一切操作することなく、予定時間になれば遠隔診療が開始するシステムの提供を目指します。そのシステムでは、診断の画像を供覧し、 遠方の家族の同時参加も可能にします。

【山口大学大学院医学系研究科・脳神経外科学講座について】

脳梗塞超急性期治療として、t-PA 静注療法、さらに脳血管内治療による血栓回収療法の有効性が科学的に証明されている中で、山口県内陸部、北部、島根県西部においては、 脳卒中診療医の不足から、それらの治療を実施することが出来ない状態です。同講座では、 2002 年から、全国に先駆けて脳卒中診療医がいない施設を中心に、遠隔画像診断システムを導入し、脳卒中急性期のコンサルテーションを提供しています。更に 2014年から導入した遠隔画像診断システム「Telesa(Tele-Stroke Advance)」(テレサ)は、遠く離れた脳卒中患者のCT、MRなどの画像を、山口大学脳神経外科の専門医がスマートファンを使用して診断し、迅速で適切な治療方針を提供、必要に応じて、山口大学附属病院まで転送して専門的な治療を行っています。現在はシナプス(富士フィルム)を用い、VPN回線を通じて多数の病院からの相談を受けています。
HP: https://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~neuro-w1/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000080441.html